長野県伊那市K邸

リフォーム

町家のリフォーム

1.暗くて寒い町屋を明るく暖かい大空間にリフォーム

K邸は長野県伊那市の中心市街地に建つ町屋形式の住宅で、白壁に瓦屋根・格子戸と漆喰壁の門塀・松の木などによる落ち着いた佇まいが美しい街並みを形成しています。一方、室内は狭い間口が南北に長く伸びた典型的なウナギの寝床状の細切れの間取りのため、日照条件が悪く、断熱材の脆弱な旧来の和風住宅の造りと相まって、冬の寒さや室内の暗さは根本的な改善を必要としていました。
5年間のマレーシア・中国での海外赴任から帰国されたK様ご一家のご要望は、この伝統的な町屋住宅を、明るく暖かく、かつ間仕切り壁の少ない伸びやかな大空間にリフォームするというものでした。

2.門型フレームによる構造補強

南北に細長い町屋形式の住宅の1階の間仕切り壁をなくすということは、ただでさえ耐震補強が必要である従前建物にとっては非常に不利な難題でした。そこで耐震補強をしつつ、間仕切り壁を少なくする方策として、集成材の柱と梁を鋼板プレートと鋼製ドリフトピンで剛接合し、更に新たに地中梁を設ける「門型フレーム」工法を、建物中央付近の間仕切り壁の代替として3フレーム挿入する耐震補強方法を採用しました。門型フレームと併せて、外周壁には新しく筋交を設置しなおし、全ての柱梁に接合金物を設置し、4隅の柱は布基礎と緊結し、床面に火打ち梁を設置することで十分な耐震性を確保しました。

3.白い内装素材で南側の光をバウンスさせ家中に導く

壁床天井を全て白系の材料として、光をジグザグにバウンス(反射)させながら南面の日照を北側奥に導いています。また唯一建物中付近で日照を得られる西側玄関付近の光を室内に導入するため、土間状の玄関と室内は引込式のガラス引戸で連続させました。冬以外は引戸を開け放すことで風通しの確保もできます。

4.温熱環境の改善、省エネルギー

間仕切り壁をなくして風通しを良くするとともに、外周壁、天井裏、床下には全面に新たに高性能な断熱材を充填し、サッシは既存のものにアタッチメントを取り付けてペアガラスに更新することで断熱性能の根本的な向上を図りました。更にダイニングキッチンにはヒートポンプ式温水床暖房を、和室の居間には堀炬燵を設置し、快適な温熱環境を実現しました。

所在地
長野県伊那市
用途
専用住宅・地上2階建て
竣工
平成24年5月