杉並区I邸

リフォーム

トップライトが魅力のナチュラルモダン・リフォーム

1.建築家が設計した従前空間の魅力を継承する

38年前に建築家が設計したI邸は、1階が鉄筋コンクリート壁式構造、2階が木造の混構造の2世帯住宅です。1階のリビングダイニングは段差30cmのスキップフロアになっており、最大の特徴は部屋を南北に貫くトップライトです。プラスター塗りの白壁に天井から光が降り注ぐたいへんモダンで魅力的な空間であり、最初に部屋を拝見した印象は「このままでよいではないか・・」っというものでした。家具や調度品もロンドンに長年駐在していたご夫妻の趣味が反映された素敵なものですし、海外メーカーの機器類が組み込まれた大きなキッチンもたいへんモダンなものでした。世代交代による居住ゾーンの移動や基本性能の維持向上など機能的に必要なリフォーム項目を満足した上で、従前の建物のもつ魅力的な空間構成や雰囲気を尊重し継承することを大きな方針としました。

2.生活の場を2階→1階へ移動するバリアフリー化

世代交代や子供の独立によって現在はご夫妻の2人暮らしです。近い将来海外から帰国される予定の娘家族が2階に住まわれ、ご夫妻が以前の親世帯の1階居住ゾーンに移動する計画に基づき、和室の続き間であった1階の居住ゾーンを、ご夫妻のライフスタイルに合わせて洋室のベッドルームと6畳のご夫妻専用の居間=和室+仏壇に改修し、さらにベッドルームの隣に納戸の一部を改修して洗面+WC(サニタリー)と、回遊動線で繋がったウォークインクローゼットを設けました。I邸は玄関やLDKを親世帯と子世帯で共用するセミ2世帯住宅です。子世帯が実の娘家族の場合この形式は比較的うまく機能しますが、時にはご夫妻だけでホッとできるプライベート空間も必要なため、寝室の隣に掘り炬燵のある和室が設けられました。
ご夫妻の生活が1階で完結できるように大きな意味でのバリアフリー化を行いましたが、従前建物の魅力のひとつのスキップフロアはご夫妻のお気に入りでもあり、様々な議論の末、段差を半分の15cmに縮小した上でスキップの空間構成は残すことになりました。

3.家具調のオーダーキッチン

従前のモダンな空間の魅力を継承しつつ、今回のリフォームではフローリングや家具類をウォルナット調の天然木に統一したナチュラルな質感を加味しました。特に天然木の家具メーカーである「家具蔵」(KAGURA)にオーダーしたアイランドキッチンは新しいLDKの主役です。

4.防音/耐震/断熱/防水等の基本性能の維持向上

環状八号線の抜け道である南側道路からの騒音と、道路の反対側の住宅からの視線の遮断のため、従前の南側の大開口をスリット状に絞り、TVを置く壁面を新設することで問題の解消を図りました。また、従前の南東角のL字型開口が耐震性能に対する施主の長年の懸念材料であったため、鉄骨の柱を隅部に挿入して耐震性の向上と将来的なコンクリートのクリープ防止を図りました。その他、サッシや床・壁・天井面の断熱改修、2階テラス陸屋根部分の10年保証付きの防水改修など、建物の基本性能の維持向上の改修を行いました。

所在地
杉並区桃井
用途
2世帯住宅・RC壁式+木造混構造・2階建て
竣工
平成30年3月