北区上十条K邸

戸建住宅

下町商店街の狭小間口2世帯住宅

下町商店街

K邸は大衆演芸場がある下町情緒いっぱいの商店街の中ほどに立地しています。ご両親は長年八百屋を営んでこられました。この実家にご長男家族(夫婦+子供2人)が同居することになり、これを機にお店をたたんで引退されるご両親との2世帯住宅を建て替えることになりました。

幅員4m未満の狭い商店街街路に面した敷地は、間口3.3m×奥行20mという極端に細長いものです。昔は井戸のある裏路地を挟んで長屋が2列に建っていたそうですが、商店街の発展とともに、店舗の間口ごとに奥行きの長い短冊状に敷地分割されて現在のような細長い敷地が連担する区画割になってきた歴史があるそうです。

狭小間口

木造3階建ての建物間口は一間半(2.73m)しかありません。隣の外壁と外壁との間隔は約12cmしかないため、工事中に建物外周に足場を組むことはできず、外壁などもすべて建物の内側から行うという特殊な施工条件です。さらに、敷地中央には長屋時代からの井戸が残っていて、現在もK様他何軒かが雑用水としてこの水を使っており、建て替え後もこの井戸を残す必要がありました。

回遊動線、屋上テラス、ラムダサイディング

建物中央に吹抜け階段を設け、その両側に居室を配置して、階段周りをぐるぐる回りながら1~3階をつなぐ回遊動線を設けるプランにより、極端に狭い間口の問題を解消しました。

吹抜け階段はそのまま屋上ペントハウスにつながり屋上のデッキテラスに出ることができます。ここからは商店街の屋並越しに隅田川の花火などが望め、稠密な商店街空間から、一気に開放的な空間へ飛び出すことができます。

また1階中央部の押入れ下部に井戸を残し、建替え後も井戸水を利用できるようにしました。2階南側には道路斜線によるセットバックで生じたスペースを活用してデッキテラスを設け、リビングダイニングの空間に広がりを生み出しました。

外壁はラムダサイディングを採用し、建物内側からパネルを積み上げるノンシール工法により、無足場での施工条件を解消しました。

下町情緒の残るご近所付き合い、楽しく賑やかな2世帯住宅

裏通りに面した1階南側にはご両親の和室があり、縁側を介して道行く近所の人々と挨拶を交わす下町の心温まる生活風景が今日も繰り返されています。子供たちも学校から帰るとおじいちゃんおばあちゃんの部屋の直行するような賑やかで楽しい2世帯住宅が実現しました。

 

所在地
東京都北区上十条
用途
専用住宅 木造在来工法 地上3階建 2世帯6人家族
竣工
平成17年3月

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